四十八茶百鼠。

「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねず)」という言葉をご存じですか?
日本の伝統色で、その名の通り「48色の茶色と100色の灰色」という意味を表しています。
なぜ、このような名前がついたかというと、そこには深い深い意味が込められています。

江戸時代後期、贅沢を禁止する「奢侈禁止令」が庶民に課され、着る服の素材や色が限定されてしまいました。そこで考え出されたのが、派手な色でない茶色、灰色、黒系など地味な色を基本とした、微妙に色味の違う色でした。それがこの「四十八茶百鼠」と呼ばれる色です。実際にはもっとたくさんの色があったようですが、色を工夫して編み出すなんて、江戸庶民の方々の美のセンス、かっこよすぎます!


深川鼠     利休鼠    江戸鼠

どうですか?どれも美しい色でしょう?
これはほんの一部ですが、色のネーミングも趣があって素敵なんですよ。

初めてこの言葉を知った時、心の底から感動しました。
江戸時代の日本人の色彩感覚は素晴らしい。美しい。
自然のモノから、様々な工夫を凝らして色を編み出す研究心と技術に、拍手です。
そして、繊細な美意識を持つ日本人に生まれた自分を誇りに思います。


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